安定期に入ると食欲が出てきて、増えやすい体重をコントロールするのに、また出産に向けて体力をつけるためにも、何か運動を始めたいという妊婦さんもいますよね。
最近では妊婦さん向けのエクササイズが増えてきましたが、中でも運動が苦手な人でも手軽にできて、体によい効果をもたらすマタニティピラティスの人気が高まっています。
そこで、マタニティピラティスの内容やメリット、教室の費用などを紹介していくので、始める際の参考にしてみましょう。
マタニティピラティスってどんな運動?
マタニティピラティスとは?
ピラティスというのは、ゆっくり呼吸しながら体を伸ばすなどストレッチをし、更にインナーマッスルを鍛えるエクササイズです。ヨガとよく似ていますが、筋力を鍛えて骨格を矯正するという点で異なります。
ピラティスはこれから出産を迎える妊婦さんにもよい効果をもたらします。妊婦さん向けの特別プログラムを組んだマタニティピラティス教室も増えています。
マタニティピラティスの種類
- 呼吸法
マタニティピラティスでは、スローに動いて全身の筋肉にアクティブに働きかけるので、しっかり吸って、ゆっくり吐く胸式呼吸が基本となります。背筋をまっすぐ伸ばして床にあぐらをかいて座り、肩の力を抜いて肋骨や肩甲骨を意識しながら、胸が大きく広がるようなイメージで息を吸います。
十分吸い込んだら、今度は少しずつゆっくり息を吐き出します。ちょうど胸にある風船が膨らむような感じで呼吸していきます。
- 床にマットを敷いて行うマットピラティス
マットの上で、立ったままで足を開き、腕を伸ばしたり、あぐらをかいて座るなど色々な姿勢をとり、足や腕、背中などをストレッチしていきます。バランスボールやゴムバンド、箱型の踏み台などの運動アイテムを用いることもあります。
- 器具を使ったイクイップメントピラティス
病院のリハビリや整体で使われるような器具に似た、ピラティス専用のマシンを使います。マットピラティスよりはマシンを用いる分、負荷が調整しやすいので妊娠中でも体に負担をかけることなく、安全にエクササイズができます。
- 体調が優れないときは行うのはやめましょう。
- 始める前に体温や脈拍、血圧などを測り体調に異常がないことを確認しましょう。
- レッスン中にお腹が張ったり、めまいがするなど具合が悪くなったら、無理して続けずに休みましょう。
- レッスン中は適度に休憩し、水分をしっかりとりましょう。
- 時間は1レッスンが60分から90分前後
- グループレッスン
1回約3000円から4000円 - プライベートレッスン(1対1)
1回約6000円から7000円 - セミプライベートレッスン(1対2~5)
1回約4000円から6000円人数や時間によって異なります。
マタニティピラティスの効果
出産に向けて体力がつく
自然分娩では辛い陣痛に耐え、タイミングよくいきみを繰り返して出産するので体力を使います。妊娠するとお腹が重くなって体力や筋力が落ちてしまうので、出産に耐えられる体力作りが必要となります。
その点マタニティピラティスを行うと、腹筋や背筋、重たくなった子宮を支える骨盤周りの筋肉などのインナーマッスルが鍛えられ、持久力も身につく ので出産もスムーズに進むやすいとされています。
またストレッチにより股関節や会陰などもよく伸びるようになる ため、会陰切開が不要となる場合もあり体への負担も減らします。
出産時の呼吸法の練習にもなる
マタニティピラティスでは、呼吸法を上手く取り入れながらエクササイズを行います。
自然分娩では母体や赤ちゃんへの負担を減らし、出産をスムーズに行うためには呼吸法が大切になるため、出産に必要な呼吸法を身につけることができます。
体重コントロールができる
妊娠中は食欲が出てきて食べ過ぎたり、お腹が大きくなって体を動かさなくなると体重が増えがちです。
でもマタニティピラティスならインナーマッスルを鍛えながら、体力もつくので脂肪を溜め込みにくい体作りができるため、急激な体重増加を抑えることも可能です。
妊娠に伴う体のトラブルを和らげる
妊娠後期になってくるとお腹が大きくなったり、血流が滞りがちになることにより腰痛や肩こり、便秘などの体のトラブルに悩まされる妊婦さんも増えます。
マタニティピラティスでは全身の筋肉を動かし、妊娠による体型の変化で負担がかかっている部位をカバーしてくれる ので、トラブルを和らげてくれます。
気分転換になり、ストレス解消につながる
妊娠するとホルモンのバランスが崩れたり、出産への不安などからイライラしたり、落ち込んだりと精神的に不安定になったり、ストレスが溜まりやすくなります。
マタニティピラティスでは、ゆっくり呼吸を整えて体をゆっくりほぐしていくので心が落ち着き、心身ともにリラックスできてストレス解消にもつながります。
妊婦さんがリフレッシュできれば、お腹の赤ちゃんにもよい影響を与えるので胎教にもよいとされています。また、教室へ通うことで同じ立場の妊婦さんとコミュニケーションも取れるのでよい気分転換にもなります。
産後の体力回復を高める
妊娠中に筋力が低下し、体力が落ちてしまうと出産のみならず、産後の回復も遅くなります。体が思うように動かず、妊娠前にはできていたことが産後できなくなったという妊婦さんもいます。
妊娠中に無理なくできるマタニティピラティスで筋力アップと体力の維持をしておけば、産後の体力回復も早く体型も戻りやすいと言えます。
マタニティピラティス始める時期と注意点
始める時期
マタニティピラティスは、妊婦さん向けに特別に組んだメニューを行いますが、いつでも始められるというわけではありません。
妊娠初期は流産しやすいので、ほとんどの教室では適切な時期としては安定期に入った大体妊娠14週から16週以降(5ヶ月)からが望ましい とされています。(各教室によって若干時期が異なるので確認しましょう)
その後は、体調を見ながら出産前まで行うことができます。また始める前には、主治医や助産師の許可や本人や家族の同意が必要とされているので、かかりつけの産院で相談してからにしましょう。
運動時の注意点
マタニティピラティスを習うために
教室探しから始めよう
マタニティピラティスを習いたいなら、まずは近場で通える教室探しから始めましょう。最近では注目されていることもあって、マタニティピラティスの教室も増えています。
産院でインストラクターを招いてのレッスンがあったり、スポーツクラブで教室があったり、個人でレッスンを開くスタジオもあるのでネットなどで探してみましょう。
通えそうなレッスンが見つかったら、問い合わせをしてレッスンを見学させてもらいましょう。また、低価格でお試しができる体験レッスンを行っていれば参加して実際にやってみましょう。
教室のレッスン時間と費用
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マタニティピラティスは、個人で行うプライベートレッスンとグループレッスンにわかれています。レッスン費用は教室によって異なりますが、一般的な費用を紹介していきます。
回数券制を採用しているレッスンだと、回数券を購入しておけば1回分のレッスン料も少しは安くなります。ただ有効期限を設けている場合もあるので使いきれるかどうかよく考えてから購入しましょう。
最近では託児つきの教室や子供と一緒にレッスンに参加できる教室などもあるなど、上の子がいる妊婦さんでも通いやすい教室が増えています。